この回のラジオで岐阜の王将が凄いって話をした。
餃子の王将というのは今や全国チェーンの中華料理レストランだけど、店舗の形態もさまざまで、そもそも店ごとに味が違うし、メニューからしてぜんぜん違うなんてこともある。だから王将マニアとしては、いろいろな店に行ってみる驚きがあるのだ。
ちなみに王将の2大派閥は餃子の王将と大阪大将であるが、人によってはこれすらごっちゃになっている。餃子の王将と大阪王将は兄弟の喧嘩別れみたいなもんである。メニューも味も根本的に違う。そのうえで餃子の王将の各店舗でも味が違うし、大阪王将の各店舗でも違う。さらに餃子の王将の正式な暖簾分けの鹿児島王将なんてのもあるのでさらにややこしい。そして姫路王将ことペルコ王将などのフランチャイズもいれると全部把握するのはなかなか困難だ。いずれ詳しく語りたいが今はこれは置いておく。
今回訪ねたのは「中華ファミリーレストラン」の看板が眩しい餃子の王将千手堂店だ。JR岐阜駅からは柳ヶ瀬ブルースで有名な柳ヶ瀬の繁華街をさらに越えて歩かなければならない。どうしても食べたくてやってきた。関西では今やあまり見かけないタイプの男っぷりの良い外観に魅了される。見ての通りの郊外型の大きめの店舗だ。
中にはいってまずびっくりしたのはボックス席にチェーンが張られていたこと！なぜチェーンを！
お客さんが入っている席のチェーンは外されている（そらそうだ）
広い店内は夕飯時前だからガラガラだ。僕はひとりなのでカウンター席に座る。そこでメニューにまず驚く。ぜんぜん違う。いつもの見慣れたメニューじゃない。黄色い。そして古い喫茶店のメニューみたいに本になっている。この時点でかなり独自色の強い王将の店舗だと理解する。これは嬉しい展開だ。
キム豆腐……ってなに！？
普通の餃子の王将の店舗とは微妙に違うメニュー内容は予測していたけど、今まで行ったどの王将でも見たことのないメニューを見つけて戸惑う。しかも僕は「キム豆腐」という料理すらわからないときている。麻婆豆腐系の何か……だとは思うのだけど。
とりあえず瓶ビールと餃子を注文する。餃子は見たこともない皿に盛られて出てくる。こんなところからでも、まず軽く期待に応えてくれたのが嬉しい。そして味のほうも少し違う気がする。そもそも焼き具合からして餃子の王将の各店舗では違うので、餃子そのものが違うかどうかは微妙なところ。少なくともサイズは同じだ。たぶん。そして、味のほうはたいへん美味しかった。焼き具合は申し分なし。
みんなが知っている餃子の王将の一般的なものはこれであろう。見慣れた皿である。かなり違うのがお分かりいただけたかと思う。
餃子の王将といえば唐揚げだ。唐揚げは胸肉を使っていて、それは同じなのだけど、形がかなり違っている。そして衣のレシピもたぶん違う。王将の餃子を見慣れている人なら一瞬でわかるだろう。千手堂店の唐揚げは香ばしくて美味しい。
ちなみに一般的な唐揚げはこういうタイプだ。「ああそうそう！」という声が聞こえてきそう。
そしてメニューの中でもひときわ気になった「にんにくポテト280円」というのを注文したら出てきたのがこれである。フレンチフライ山盛りににんにくスライスも一緒に揚げている。フレンチフライを提供している王将はたまにあるけどにんにくも一緒に揚げているとは驚きである。そして油の温度を低く設定しているのか、食べてみると全体がべちゃあとしていてフライ感は微塵もない。この意外性。しかし味付けのほうは強烈に濃い。どうもビールが進みすぎて困る。フレンチフライなんかカリカリしてなくてもええのか。岐阜王将はなんちゅうもんを作ってくれるんや。
ここまできたらあれをいってしまう。そう、炒飯である。餃子ときて、唐揚げときて、炒飯を喰わずに帰ったのでは王将とはいえない。
さすがに食い過ぎかと思われたが酒の勢いで食べてしまう。ついてきたスープが美味い。炒飯のスープが美味い店は美味しい店舗である。美味しくない店舗の炒飯のスープは、はっきりいって醤油味のお湯だ。もしくはレンゲを洗うためのものに違いない。それにしても紅しょうがのアクセントが嬉しい。
カウンター席だったから気が付かなかったが、恐るべきことにここの王将は各テーブルにウォーターサーバーが設置してある！なんと豪気な！ヘレン・ケラーもびっくりの冷たい水が飲み放題なのだ！岐阜の奇跡の王将とはここだったのだ！
いつか千手堂店のウォーターサーバーで飲み放題したい。水飲み放題の宴会がしたい。でも一人ではなあ……。
