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なぜ底辺YouTuberは死体になって転がるのか?

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なぜ底辺YouTuberは死体になって転がるのか?

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日本のトッププレイヤーHIKAKINのチャンネル

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YouTuberのことを研究してみた

 YouTubeで広告収益をあげるシステムが開始されていることは知っていたし自分でもYouTubeに動画をアップロードしているんで仕組みはよくわかっている。けど、YouTuberがブームになっている事はよく知らなかった。HIKAKINとかマックスむらいって名前はネットでチラホラ見ていたが、この人らがYouTuberの日本のトッププレイヤーの名前だというを知ったのは、この回のラジオで喋ってててっちゃんに教えて貰ってからだ。

 そういえば、たまたまテレビを目にした時に「好きなことで、生きていく」とかいうキャッチフレーズのCMが流れていて「ああ、Googleもまたこんな変な煽りをして」とうんざりした記憶が蘇った。どうも、よく知らないところで「YouTuberになって広告収入で生きていこう」みたいなことがブームになっているらしい。

 自分は動画の類は、Googleで検索して必要なものが出てきたら見る、というスタイル。YouTubeだのニコニコ動画などに張り付くということはあまりしたことがない。そのせいか動画サイト有名人というやつにひどく疎いのだ。なんとなく稼いでいる人もおるなあ、くらいに考えていた程度。

 だから少し研究してみた。

YouTubeトッププレイヤーとその年収は?

 以下はわざわざ調査のためにYouTubeで動画を見たり「ユーチューバー 年収」と検索したりして知ったトッププレイヤーたち。「いまさらかよ」という人もおるだろうけど、僕みたいにそっちの分野をまるで知らん人もおるに違いないのでまとめてみた。

    第1位 HIKAKIN(1億1846万4790円)
    第2位 マックスむらい(7642万9440円)
    第3位 Kan & Aki’s CHANNEL(7452万円)
    第4位 レオンチャンネル(6558万5880円)
    第5位 はじめしゃちょー(4694万9688円)

 検索してみたら出てきたのがこのランキング。この5人(6人)が日本のYouTubeトッププレイヤーと呼べるようだ。

 収入については「YouTubeは再生数の十分の一の金額が支払われるらしい」という公式(というか目安)に基いて計算されているそうなので、これ以上儲けている可能性はあるとしても、これよりかなり少ないということはあり得ない、ということだ。

 じゃあ気になるのが、このトッププレイヤーたちは一体どんな動画をアップロードして人気者になっているか、だ。

 一位はHIKAKIN。ヒューマンビートボックスのボクサーとして人気者になった人。ヒューマンビートボックスとは何かというと、スーパーマリオの音を口で再現するとかのアレだ。そういえば何年かまえにやたら耳にした気がする。あれが彼だったのか。そしていまはユーチューバーのトッププレイヤーとして君臨していた。最初はヒューマンビートボックスの動画を流していたようだけど、今はいろいろなくだらない動画と、ゲーム実況で人気を博している。いくつか動画を見たが5~10分くらいのどうでも良いようなものばっかりだった。それを毎日アップロードしていて、どんな動画でも再生数50万くらいはコンスタントに稼いでいるから、日収で考えると5万円くらいは確実に収益があるということになる。5万×365では1825万円てことになるから、全体でいえばもっともっと再生されているのだろう。

 二位のマックスむらいはパズドラの動画で名前を聞いたことがあったのでガンホーの社員か何かと勘違いしていた。スマホのアプリ紹介とかゲーム実況とか、あとはくだらない動画をアップロードして人気のようだ。動画を一日何回アップロードしてるのかよくわからない。とにかく大量の動画をアップロードしている。一日一回でも年間365本になるわけで、それでもたいへんなものだが、この人となると年に何本くらいになるのだろうか。再生数は10万いかないものも多いので、動画一本に対して5000円くらいしか儲かってないものも結構あるけど、もちろん何十万も再生されているのもある。動画の膨大なアップロード数とあわせて考えると7000万円以上稼いでいるという説にも納得がいく。これはあくまでこれはGoogle AdSenseから支払われる広告収入だけの話であるから、他の収入は考えていない。HIKAKINにしても、マックスむらいにしても、いろいろな出演料とか、企業とのタイアップとかの他の収入をあわせるともっともっと稼いでいるのは確実だろう。

 三位のKan & Aki’sは幼女二人を親が撮影して玩具とか遊ばせて人気になっているやつ。僕にとったら上位二名以上にどうでも良い動画だ。ふーんと思うばかり。自分の子供をダシにしてYouTubeで稼ぐというのも、子役タレントと同じくして、出てくるべくして、だろう。撮影などの手の込みようは上二人に遜色ないので、親の並外れた本気度が伺えて(幼女がそんなこと気を使うわけがないから)薄ら寒くなるが、他人の家庭のことなので余計なお世話というものだろう。

 四位のレオンチャンネルは仮面ライダーとかそういった玩具の紹介をし続けるというもの。上位5人の中で唯一顔出しはしていない。顔出し無しでこれだけ稼いでいるのはたいしたものと言える。玩具を動かしたりしながらずっと説明している。個人的には何が面白いのかさっぱりわからんのだけど、玩具が好きな人には参考になるのだろう。だからすごい再生数をはじき出しているのだ。更新頻度も非常に高いものがあってほとんどの新作玩具を紹介しているはずだ。たぶん。知らんけど。適当にかいた。

 五位のはじめしゃちょーは大学生くらいのイケメン。イケメンが毎日くだらない動画をアップロードし続ける!ただそれだけ!それだけだけど、スゴイ再生されていてファンがついている。それはなんとなくわかる。そして動画も「ハンバーガー100個食ってみた」とか「ポークを食ってみた」などのように学生ノリの見るだけで即死しそうなほどしょうもないものが多いが、編集や撮影自体は手の込んだものだし、つまらない短編映画を定期的に作ったりもしているし、本人が動画制作にめちゃめちゃ熱心なのはよくわかる。でも基本的にはしょうもないのでファンでもなければ続けて見たくはない。

 まあ、こんなかんじだ。日本のYouTubeトッププレイヤーがどんなものか、とりあえずはわかっていただけたと思う。

底辺YouTuberの勘違い

 さて、問題の底辺YouTuberのことに話をうつそう。年収数千万から億というトッププレイヤーに憧れてユーチューバーになった人たちのことだ。『おら、ようつべで人気者になるだ!』と動画をアップロードし続けているも再生数はどれも10以下という悲惨極まりない状況に陥るのが底辺たち。Googleの肥やしになるくらいならまだマシで、実際は畑に生えている雑草みたいなもんで、検索の時の邪魔者としての役目しかはたしてない。まさに死屍累々の有り様だ。なのに参入する奴が後を絶たない。なんでなのか。もちろんGoogleが煽っているからもあるけど、底辺が、底辺ユーチューバーに墜ちてしまうにはそれなりの理由もあったりする。

 ここでトッププレイヤーたちに対する、代表的な底辺ユーチューバーを紹介してみたいところだけど、残念ながら底辺ユーチューバーに代表的な奴なんか存在しない。そんな奴がいたら再生数が上がっている。再生数10以下ということはピックアップ不可能ということだ。

 しかし、あんまり人気が無さそうなチャンネルはいくつか見ることが出来た。死体蹴りみたいで可哀想なので、どんな動画かリンクを貼るということはしないけど、何故底辺ユーチューバーが生まれるのかその理由は理解できたので書いてみようと思う。

 最大の理由は、上位プレイヤーのほとんどが「しょうもない動画」を大量に上げ続けていること。これ見たら「こんなしょうもない動画で人気になれるんなら俺も出来る!」と慌て者が勘違いしてしまうのも無理は無い。

 で、彼らはトッププレイヤーの真似をして、しょうもない動画を撮影してアップロードしちゃう。この時点で死体になることが確定する。

 「すごく人気のある人のしょうもない動画」vs「どこの誰ともわからん奴のしょうもない動画」。この結果がどうなるかなんて小学生でも理解出来る筈なのに、目が眩んでいるの何なのか、まったく見えなくなってしまうらしい。

 しかもトッププレイヤーたちのしょうもない動画というのは、見てもらえばわかるけど、すごくお金がかかっているし、編集などの手間もたいへんにかかっている。撮影用のカメラだって良いものを使っている。

 ああ、しかし、今はインターネット時代。気軽に動画を撮影してアップロードが出来てしまうのだ。だもので、気軽にスマホのカメラとか適当なデジカメなんかで撮影した小汚い動画をホイホイとアップロードしがちなのだ。

 それでどうなるかというと、「すごく人気のある人のしょうもないことをやっている綺麗な動画」vs「どこの誰ともわからん奴がしょうもないことをやっているだけの小汚い動画」というさらなる大惨事を引き起こす。これで再生数1以上ついたらそれだけで奇跡だ。

 それともうひとつ問題なのが、動画の更新頻度。トッププレイヤーたちは毎日1個以上の動画を1年以上にわたってコンスタンツに上げ続けている。いくら「しょうもない動画」といえども、その情熱と労力だけはモノスゴイものがある。それに対して底辺ユーチューバーたちの動画はとても少ない。トッププレイヤーが動画を1個あげる間に、底辺なら1000個あげたって追いつかないというのに、毎日コンスタンツに1個以上あげることすら出来ていないという有り様。

 じゃあなんでトッププレイヤーはハイテンションで動画をそんなに上げ続けることが出来るかということだけど、基本的には彼らは「動画をアップロードするのが好き」なのである。

 そりゃまあもちろん収益が上がっているのだからやめられんだろうという意見もあるけど、好きでもない仕事なんて苦痛しか生まない。動画を毎日1本製作してアップロードするなんて、ぜんぜん趣味でもなんでもない人間からしたら苦痛なだけである。そんなの「好きなことで、生きていく」でも何でもないだろう。トッププレイヤーたちは動画撮影と編集がもともと好きなのだ。もしくはそんな人が協力者にいるのだ。だから毎日でも続けられる。僕みたいな通りすがりの人間に「しょうもない」「死ぬほどしょうもない」「見るだけ時間の無駄」と罵倒されても決してやめないだろう。だってそれが好きなのだから。僕がネットラジオを週一で更新するのをやめないとのと同じだ(2ちゃんねるで罵倒されても)。

 それに対して底辺ユーチューバーは動画製作なんかあまり好きではない。

 「こんなしょうもない動画だったら自分でも出来る」「楽に儲かるんじゃあ?」という助平心だけで始めたから、内容もトッププレイヤーの真似事にしかならないし、ひたすら適当で小汚い動画だし、更新頻度も滞りがちになっているのだ。

 少なくとも収益でトッププレイヤーを蹴落としたいという意気込みがあるならば「内容の面白さ」「映像の綺麗さ」「更新頻度」の3点のうちのひとつでも勝っていないと可能性はゼロなのに、そういう事はあまり考えていない。「あんなふうな事をやればいくらかお金になるんだあ」程度のものである。

 水や海などにも興味もなく、たいして泳げもしない男が、酸素ボンベなどの装備もなしで、いきなりマリアナ海溝にドブンと飛び込むようなものなのだ。水死体間違いなし。


こういう罪深い書籍もたくさん出ている…。

CMのキャッチフレーズに騙されるな

 Googleの「好きなことで、生きていく」というキャッチフレーズも罪なものだ。

 このキャッチフレーズが巧みにミスリードしているのは、多くの人にとって動画作成が「好きなこと」「楽なこと」であるかのような誤解を与えることである。冷静に考えれば動画作成を趣味にしている人なんてごくごく限られている。ビデオゲームをプレイするのが好きな人が、必ずしも「ゲーム実況動画の制作」が趣味だろうか。鉄道を趣味としている人が「鉄道動画の撮影や制作」に興味があるだろうか。くだらないコントや、ハンバーガー100個喰うといった映像を撮影するのが好きな人が何人いるんだろう。けっこうレアじゃないか。なのに、まるでそれ以外は「好きなこと」になりえないような言い草である。

 漫画を描いて生活している人は漫画を描くことで「好きなことで、生きている」といえるし、たとえば配管工の仕事をしている人だってそれが好きなら「好きなことで、生きていく」といえる筈だ。営業マンだって、大工だって、紙漉き職人だって、なんだって良い。自分の好きなことはそれぞれ違っていて良い。動画で注目されることで生計を立てていくなんてのは、かなり特殊な趣味にちがいない。仮に僕が明日からHIKAKINになったとしても、動画という仕事を毎日やらされると考えるとかなりキツイと思ってしまう。僕の本当の夢は毎日寝て暮らすことだから、もし僕が「好きなことで、生きていく」というような夢を叶えようと思うなら、毎日寝てても集金出来るシステムを作る必要があるといえる。それはYouTubeに動画をアップロードすることとはあまり関係がないように思う。(ただし何かの間違いでアホみたいに再生数の稼げそうな傑作動画を思いついたら是非アップロードしてその収益で寝て暮らそうとは思っているが)

 「好きなことで、生きている」と自分の仕事に胸をはれる人は多くはない。ほとんどの人が、自分に向いてないような仕事でも、嫌々やってなんとか日々をしのいでいる。かといって自分に向いている仕事がなんなのかもよくわかっていない。そして探すのも面倒くさい。そんな中、動画サイトで楽しそうにやっているYouYuberたちを見て羨ましく思ってしまう。今やっている仕事よりも楽して稼げそうに見える。動画の才能のある人なら、あるいはそうかもしれない。三度の飯より動画制作が好きという人間なら、今すぐYouTuberを目指すべきだ。もしかしたらチャンスかもしれない。そうでないならば、もっと別の打ち込める仕事を探すべきだ。

 ここまで読めばなぜ底辺YouTuberは底辺YouTuberになって無残な死体を晒してしまうのかがお分かりいただけたかと思う。彼らは動画が好きなのではなく、トップYouTuberたちやGoogleの広告に煽られて、現実の逃避先としてYouTubeを選択したに過ぎないからだ。しかしYouTubeは辛い現実の逃避先にはなり得ない。

 漫画家になろう、イラストレーターになろう、小説家になろう、アイドルになろう、お笑い芸人になろう。そう安易に考えて業界に突撃して無残な死体となって転がるのは、いつだってその分野をそれほど好きでもないくせに、現実の逃避先として安易に選択した連中だけだ。

 本気でその分野が好きだったら、たとえ運や時勢に恵まれずに終わったとしても、無残な死体にはならないし、それなりに充実した人生が送れるのだ。そういうのは見る人が見ればわかる。別に大成功してなくとも、好きでもない分野に特攻していって討死した連中のような負け犬臭はしないものだ。「頑張っていれば今にきっと理解者が現れて引き上げてくれる」なんて甘いことは言わない。しかし、好きなことをして生きていくというのは、たとえ金銭的には恵まれずとも楽しいものだ。なにせ、すでに好きなことをしているのだから。

底辺YouTuberを晒してみる

 最後に底辺YouTuberの一人を晒しあげてみようと思う。といっても自分のYouTube動画である。僕もずいぶん前に動画を登録していて、それに広告を掲載しているので収益が入るようになっている。動画にそれほど熱心ではないので、単に放置したままになっているし、内容も収益のことを考えられたものには全くなってない。だから今まで稼いだ額としては50円あるかないかだろう。Googleのレポートを見るだけでうんざりする。動画なんかやってられるかと思う。どうやら知らん間に自分も底辺YouTuberの一員になっていたようだ。

 そんな自動底辺YouTuberの動画のひとつがこちらだ。良ければチャンネル登録して欲しい。励みになるので。しかし動画の追加予定は今のところは無い。

https://www.youtube.com/watch?v=tSLgVkRK6UU