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クラウドファウンディングってまるで全然機能してなくない?

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クラウドファウンディングってまるで全然機能してなくない?

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モンケン公式サイトから遊べるゲーム。解体屋ゲンさんもちゃんと登場している。

モンケン公式サイトから遊べるゲーム。解体屋ゲンさんもちゃんと登場している。

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モンケンというプロジェクトでCAMPFIREを知る

実際は違ったかもしれないけど、モンケンというゲームを作るっていう話を聞いた時にCAMPFIREというサイトを強く意識したのは確かだ。

CAMPFIRE

モンケンというのは「アクアノートの休日」「巨人のドシン」の飯田和敏、「バーチャファイター」などの音楽を手がけた中村隆之、「牧場物語」などのイラストレーター納口龍司、そしてギャガとかセガで宣伝をやっていた黒川文雄というそれなりの業界のビッグネームが集まって作ろうとしたインディーズゲームである。

内容はモンケンとよばれる鉄球つきの建物解体の機械を使って建物を破壊するという……。それが面白いかさておき、そんな内容のゲームだ。

プロのゲームクリエイターが企業を離れてインディーズで好きなゲームを作ろう、というのは今までになかったわけでもないけど、メジャー系のクリエイターがここまで揃ったというのは珍しかったのではないか。それだけに業界ファンの注目を集めていたし、動向を見守っていた人もけっこういた。

そしてなによりも新しかったのが、このゲームがクラウドファウンディングで作られるということ。

つまり上記のクリエイターが集まって作るゲームであるならお金を出しても遊びたいという人を何人か募って、先にお金を払って貰って(場合によってはゲーム一本分よりもたくさんのお金を払って貰って)、そのお金を元にゲームを作っていこうと。そういう企画だったのだ。これは夢がある。……ように思った。

ともかくとして、その資金集めに利用されたのが前述のCAMPFIREというサイトなのだ。

結論からいうとチームモンケンは、このサイトを通じてゲームファンから250万円くらいの資金を集めることに成功した。素人としても「ゲームって250万円で出来るの?」との疑問はあったけど、同人ゲーム的なものと考えれば潤沢すぎる資金なのかもしれない。だいたいもっとお金がかかるなら、プロジェクトの目標額を2000万円とか、2500万円に設定していた筈だ。250万円という結果は当初の目標額をゆうに越えていたのだ。プロの集団が必要と判断した数字を越えていたのだからそういうことだ。なるほど。

そんな素人の心配をよそに、チームモンケンによるモンケングッズの製作や、週刊漫画times誌の看板マンガ『解体屋ゲン』とのコラボレーションや、各種プロモーションも順調。このゲームが爆発的にヒットするかどうかはさておき、モンケンなるゲームがリリースされるのは時間の問題かなあと思っていたのだが。

まったく話題の無くなったモンケン

気がついたら「モンケン」の話題を誰もしなくなっていた。

それほど熱心に注目していたわけではない僕なんかは、三日前の夢の内容みたいに「モンケン」のことを綺麗サッパリ忘れるところだった。そんな折にやまもといちろうによる記事が目に留まる。

http://www.4gamer.net/games/206/G020600/20140905067/

ざっとまとめる。

クラウドファウンディングで集めた資金のうちの半分以上はグッズ制作やプロモーションの費用として消えたということ。そしてゲームは一応は完成している。(公式サイトで無料で遊べる。)

で、肝心のチームモンケンは喧嘩別れしたそうだ。だから話題が無くなったのだと。

モンケンがぶっ壊したのは建物じゃなくて、クリエイターたちの友情だった!?

その経緯をあれこれ言及するのはよしておこう。興味のある人はリンク先でも読んで推察してくれればよい。

僕がここで言いたいのは、返金騒ぎにまで発展する可能性のあるクラウドファウンディングをわざわざした意味がよくわからないということ。

CAMPFIREとしては良い宣伝になっただろうし、チームモンケンが多少なりとも注目されたのはクラウドファウンディングという日本ではまだまだ物珍しい手法を導入すると打ち上げたからだ。個人の出資者から資金を集めてプロがゲームを開発するという今まで無かった方法論。チームモンケンに出資した人たちはそんな新しい可能性に夢をみて、モンケンにお金を払うというよりは、末端消費者とプロクリエイターがもっと近くなる可能性……という夢にお金を払ったのでは無かったのか。

かくして250万円という資金が集まったわけである。

クラウドファウンディングの実効性に疑問

まだ何も出来てない段階で声かけるだけで250万円集めるのはすごい。でも、これ、はっきりいってショボくない?ひとりで何万円も払った出資者もいるだろうから、少々言いにくいけれど。

250万円というと、同人ゲームとしては潤沢な資金と言ったが、2000円の同人ゲームを1000本売れば200万円の売上になるのだ。2000本売れば400万円になる。250万円ってえのは、つまり、その規模の金額なのだ。

まがりなりにもメジャーなトップクリエイターが集まって、理想的なゲームを作ろうって言うのだから、クラウドファウンディングなんていう目新しいもの抜きで、泥臭く同人ゲームとして販売して2000本を売るくらいは出来ないのかという話だ。

そりゃ、出来ないかもしれない。同人だってそんな甘い世界じゃない。

でも、同人ゲームでとりあえず2000本も売れないなら、その先の可能性は無いのではないだろうか。

同じにしちゃ失礼かもしれないけど、東方シリーズとか、ひぐらしとか、万単位で売れている。あんなド素人が作ったものにトップクリエイターが負けるのだろうか?

べつに東方とかひぐらしをバカにしているわけじゃなくて、ゲームのプロでございと言っている人らが作ったゲームがそれの十分の一もキビシイなら、なんなんだと言いたいわけだ。そんなゲームはポシャっても良い。

しかしゲームそのものは完成していた。

現在、モンケンのゲームはモンケンの公式サイトで誰でも遊べる。コラボしている解体屋ゲンさんだってちゃんと出てくる。何なんだと言いたい。

そらそうだ。同人ゲームで一山当てたろと企むド素人と違って、チームモンケンは業界での実績は山ほどあるプロ集団。明日の日銭に困っているわけでもない。協力者の人脈だってある。

集めた250万だって、ゲーム制作費にはほとんどあててない。Tシャツとかの制作に使っただけだ。それだってどうしてもっていうなら、ポケットマネーで返金しても良い、らしい。つまりゲームの実制作費を求めてのクラウドファウンディングではなかったということがよくわかる……。

だったらなぜクラウドファウンディングなんてややこしいことをした!?

やはり話題性と宣伝のためだけに目新しい分野でぶちあげただけなのか!?

それともクラウドファウンディングでまとまった資金が集まればIPOに群がるベンチャーキャピタルよろしく出資先が登場するのを期待した!?

なるほど、コマーシャルとか山師的な感覚としては正しかったかもしれない。それで上手くいってればだが……。

今回のまとめ。「目新しいからといってクラウドファウンディングって言葉に浮かれるな!?」

今回のラジオでは奇妙なビジネスとクラウドファウンディングのお話にかなりつっこんでいます。ぜひ下のプレイヤーから聞いて下さい。

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