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荒木飛呂彦の新刊で語る衝撃の事実!
JOJOの荒木飛呂彦先生は近年はせっせと活字の本を書いている。どれもこれも集英社新書だ。そりゃまあそうだろうと思うが、数年前から新書ブームで各出版社が新書レーベルを創刊してしのぎを削っているので、集英社としては荒木飛呂彦というのは他では読めないコンテンツとして売りたいのだろう。
そしてまんまと僕はぜんぶ買ってしまっているのだから集英社の思う壺だ。だって荒木飛呂彦がどんなことを書くのか気になるはずだ。あんな漫画を描いてるやつは何を考えているのだ!?
最初の映画のやつを読むと本当に荒木飛呂彦ってホラー映画オタクだなあと感心する。目線や知識やチョイスする作品がホラー映画オタクの我々とまったく同じ。そりゃジョジョとかにハマるのも無理がない。ジョジョの第三部で、『ゴースト血のシャワー』とか『ブロブ』とか『クリスティーン』などのB級ホラームービーがネタになっているとついついニヤついてしまう。
ジョジョ第六部の『ストーンオーシャン』で、ミスコン版ダイ・ハードである『ハードネス』なんていう超B級映画のネタを流用していた時は、本当にひっくり返りそうになった。な、なんでそんなにオタクなの!?
そんな荒木飛呂彦先生の最新の新書である『荒木飛呂彦の漫画術』である。これは面白い。
荒木飛呂彦の漫画に対する考え方とか、『武装ポーカー』『魔少年ビーティー』『ジョジョの奇妙な冒険・第一部』などの過去作品についての丁寧な自己解説が読める。荒木飛呂彦ファンなら必読の書であろう。
その中で『バオー来訪者』についても語っている。『バオー来訪者』とは『ジョジョの奇妙な冒険』の連載が始まる前に週刊少年ジャンプ誌で連載されていた作品だ。当時からなかなか鳴り物入りの連載だったし、僕らもわりに夢中になって読んでたし学校でも話題になっていた。決して内容は悪くなかったと思ったのだけど、結果的には単行本2巻で終わってしまった。いわゆる打ち切り作品だ。
荒木飛呂彦が本当の人気作家になるには次の『ジョジョの奇妙な冒険』の連載を待たねばならなかったわけだが、なぜこの『バオー来訪者』は失敗してしまったのか。実際、打ち切りになってからも『バオー来訪者』を惜しむ声は多く、ジャンプ側もそれをわかってたみたいで、連載が終わってかなり経ってからアニメ化なんかしたくらいだ。そしてファンからは「早すぎた天才」「タイミングが悪かった」「たまたま…」などといろいろ言われたものだ。
じゃあ荒木飛呂彦自身は『バオー来訪者』をどういう風に考えていたのか。
なんと本書には「『バオー来訪者』の失敗」と題してページを割いている。そこには驚愕の事実があった。
以下は引用。
『バオー来訪者』で描いた世界観には、苦い思い出があります。主人公はバオーというモンスターに変身する少年なのですが、冒頭で、バオーを実験材料にしている科学研究所の鉄道車両が三陸沖を走っている場面があります。実際には、この路線は電化されておらず、ディーゼル車が走る鉄道です。僕もこの地域に行ったことはあり、ディーゼル路線だということは知っていたのですが、ストーリー上、どうしてもバオーを高圧電流で感電させたかったので、電線を張り、バオーを車両の上を走らせて感電させるシーンを書きました。
ところが、読者から「あの路線はディーゼルで、電化させていません」という指摘を受けました。しかも、本当は単線だったその路線を複線にするという二重の誤りを犯しており、指摘してきた読者は、おそらく、そのページ以降、『バオー』の世界に入っていけなくなったことでしょう。読者を失うという大きな失敗をしてしまったのです。
なんと!バオーが打ち切られるに至った遠因は、鉄オタからの支持を失ったからだった!?恐るべき鉄オタ!!
という話でもなくて、ここにバオーの失敗の理由があるかどうかはともかくとして、荒木飛呂彦がオタの視点をとても大切に考えているってことが伺える話である。なぜって、最初にも述べたが、荒木飛呂彦自身が相当の漫画オタだし、映画オタだからだ。自分がオタの気質をめちゃめちゃ理解しているからこそ、オタに「そこ違うよ。ディティールが甘いよ」とか指摘されると相当こたえたであろう。それが作品の中のテンションに反映されていまいち弾けられなかった原因になってるというのは十分に考えられる。評価が高くて、たびたび各方面から続編が希望されたけれど「僕の中では終わった話」と断っているし。
まあ、それでも、小学生だった僕らは相当『バオー来訪者』が好きだったし、学校でも「リスキニハーデン・セイバー・フェノメノン!」なんて言っていたんだけれども。
問題のシーン。こんな何気ないコマから路線まで特定してしまう鉄オタも鉄オタだけど…。
沖縄の台風をBGMにあいかわらず宮崎駿や荒木飛呂彦スタンド談義!?
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