UA-56563609-1

ネットラジオ BS@もてもてラジ袋

IT時代をサバイブする新型教養番組

広島駅の二階の広島お好み焼き名店をオススメする

calendar

reload

現在のJR広島駅ビルの二階は食べ物のフロアになっていて、ラーメン屋や、居酒屋や、立ち飲み屋や、喫茶店などひとしきりが揃っていて、飲食するには事欠くということはない。もちろんお好み焼きの店もある。地方の県庁所在地など、JRの駅周辺というのは何かと繁華街から外れていて寂しかったりしたものだ。しかし今では地方都市のJR駅の周辺の再開発も盛んなものだ。広島にしたって広島市民球場がマツダズームズームスタジアムという立派な名前に変えて駅のそばに移転してからというもの、何かと賑やかしくなってきた。だからというわけでもないけどたまには駅ビルを探索してみても良いかと思った。

IMG_7083
 広島のお好み焼きの有名店である麗ちゃんも駅ビルの二階にある。しかしご覧のとおりの行列。この通路はお好み焼き屋が数店舗立ち並んでいてさすが広島といった感じだけど、麗ちゃんだけに客が集中している有り様だ。それほど違うのだろうか。ここの人はみんなひとしきり食べ比べて麗ちゃんを選んでいるのか。という僕だって、麗ちゃんが美味いと言われたのでノコノコとやってきたわけだけど。

IMG_7089
 お好み焼きは食べたいけど、並ぶのは嫌だなあとウロウロとまわっていたら、麗ちゃんがもうひとつあるのを発見した。第二麗ちゃんと暖簾にある。麗ちゃんがというのはあまりに人気なので、テナントを二つ借りて営業しているのだろうか。後で調べてみたら暖簾分けということだけど、この時はよくわからなかったので、こちらがとても空いていたので迷わずに入ってみることにした。

 お好み焼きを焼いている従業員はみんなお母さんみたいな人たちで好印象だ。広島のお好み焼きはお母さんみたいな人が焼くのが本道のような気がしているからだ。第一麗ちゃん(といって良いのか?)の方は男の職人が焼いていた。そちらも美味しいから行列なのだろうけど、僕にとってのお好み焼きはこちらが良いに違いない。どうせあちらでは食べたことがないので、味の違いがあってもわからないので、食べたものが美味しいかどうかで決めたいと思う。

IMG_7092
 当然のようにイカ天入りのうどん玉で注文した。イカ天というのはイカを薄く伸ばして衣をつけてフライにしたお菓子だ。広島のお好み焼きにおいては重大な具として用いられている。必ず入るというわけでもなくて、入っていないメニューもあるけど、僕は入っているものが好きだ。そして広島のお好み焼きにはそばかうどんが入る。どちらを選ぶのが本当なのかは今だによくわからないけど、うどんが好きなのでうどんを選びがちかもしれない。そばが嫌いというわけでもないので、そばを頼むこともあるけど、この日は反射的にうどんと言ってしまった。

IMG_7095
 注文したのが焼きあがってきた。お皿に入れてくれている。鉄板から直接食べないと嫌だというこだわりの人も多い。僕はお好み焼きは鉄板からでもお皿からでも持ち帰りの容器から食べても美味いのが美味いお好み焼きだと考えているのでこだわらない。ただし、あまりにも間を置いてふにゃふにゃになってしまったのは問題だけど、この場合は店ですぐ食べるのであるから気にする必要は無いだろう。

 うどんの白色と、青のりともやしとキャベツの青色と、ソースの黒色のコントラストがなかなか鮮烈なお好み焼きである。食べてみると歯ごたえがあって美味い。今までいろいろの広島のお好み焼きを食べてきたけど、そのなかでも頭ひとつ美味いような気がする。どこがどうとかはうまく言い表せないが。しかし広島のお好み焼きはだいたいがそれなりに美味いものなので、ちょっとした焼き具合で同じ店でも変わってしまうのかもしれない。この店は普段はそれほどでもなくて、僕のときの焼き具合がたまたまベスト・オブ・ベストだったという可能性もある。けど、どうせ一度の事なのでどっちだって良い。でも、もう一度があるなら、次はそば入りも試してみたい。

IMG_7097
 ひとつだけ明確に美味い理由としてわかったのが、この店の使っているソースが広島で人気のカープソースというのを使っている点だった。広島というとオタフクソースばかりと考えがちだが、カープソースというのもなかなか美味しい。オタフクソースに比べたらけっこうな辛口。なおかつ、麗ちゃんには、さらに辛い版のカープソースというのも置いていて、僕は辛いのが好きなのでこればかりかけて食べてしまう。広島のお好み焼き屋はソースをべしゃべしゃにかけて食べるのが楽しいと思うのでピリ辛のカープソースは嬉しい。すっかりカープソースのファンになってしまって、大阪に帰ってからスーパーを探しまわってみたら、幸いにも近所の店で扱っていたのでさっそく買ってしまった。ただし辛いカープソースは売ってないようだ。

IMG_7098
 すっかり満足して、広島駅の外にふらっと出てみたら、駅のまわりが再開発ですっかり綺麗になってしまっていた。僕が好きだった戦後を感じさせるレトロなごちゃごちゃしたビルも何時の間にかぜんぶ壊されていた。あのあたりに、好きだった居酒屋があったのだけど。ひどくつまらない気分になった。

IMG_7099
 ちょっと前から駅前には養老乃瀧グループの激安居酒屋である一軒め酒場が出来ていたのだけど、この古めかしいビルも取り壊しが決定しているようで、一軒め酒場も移転するという告知があった。このビルで営業しているうちに入れば良かった。時既に遅しである。なぜか広島店は開店時間がかなり遅いようで、まだオープンしていないのだ。もしかしたら移転を前に営業時間を短縮したのかもしれないが、オープンするまでは待っていられないことだけは決定している。

IMG_7100
 マツダズームズームスタジアムに行く方面には、やはり戦後感のある市場が並んでいる。汚いといえば汚いのだけど、こういうのも今や貴重な風景だなあ、なとど思っていたら、こないだ広島を再訪した折に、一軒め酒場の入っていたビルともども、ぜんぶ綺麗に無くなってしまっていた。大規模な再開発だ。広島もすっかり変わるのだろう。

IMG_7113
IMG_7115
 駅ビルの二階に戻って、昼間からやっている居酒屋で生ビールを飲んだ。160円のカープカツというのを食べる。ごく普通の串かつだけどカープとつけるだけで広島で食べている雰囲気があるのでお手軽なものだ。カープカツといっても、ビッグカツを出しているお菓子メーカーが、広島カープのおみやげとして売っているカープかつとは何の関連性もない。本当にただの豚の串かつにカープとすいているだけだ。お菓子のほうのカープカツはお手軽な広島土産として人気である。

 今や広島駅のまわりで昼間からこのように生ビールが手軽に飲めるようになった。生ビールを頼むとお新香までつけてくれるのだ。ビールが好きな僕としては嬉しいことだけど、時代的な風景が無くなってしまうひきかえというのでは残念な気持ちに負けそうになる。でも昔の市民球場と今のスタジアムでは今の方が断然に立派だなあと考える自分もいる。

 そしてここで紹介している第二麗ちゃんのお好み焼きもどうやら食べ納めになってしまったようだ。九月(2014年)に再訪したら無くなってしまっていた。麗ちゃんの方は健在で、あいかわらずものすごい行列だった。

この記事をシェアする